獣医師 南 毅生のブログ (その38)
動物病院経営のはなし
人口減少と動物病院
今回は、本邦の人口減少と動物病院に関して考えたいと思います。
日本の人口は、2048年までに1億人を切ると言われています。
27年には高齢者が全体の3割を超え、31年に総人口の平均年齢が5いわれており高齢者数は43年にピークを迎え同年に現役世代が6000万人を割り、現在と比較して1500万減少するといわれています
上記は、ある新聞の記事ですが、若い世代はペットを飼育する環境で生活していないことから、今後ペットの数が激減すると考えられます。
2021年 都道府県別 犬の狂犬病登録頭数では、
東京都 519234頭、神奈川県 448933頭、福井県 30383頭。
東京都の犬の頭数は、福井県の17倍です。
では、飼育動物診療施設(動物病院)数をみてみると、東京都 1858軒、神奈川県 1157軒、福井県 45軒で、東京都は、福井県の41倍の動物病院が存在しています。
これだけを見ると、東京都は、福井県よりも圧倒的に動物数・動物病院数は多く感じます。しかし、犬の数を単純に動物病院数で割ってみると、東京都は1軒あたり279頭、神奈川県は1軒あたり388頭、福井県は1軒あたり675頭となり、福井県の1動物病院あたりの犬の数は、東京都の2.4倍となります。
様々なものが都会に集中していますが、我々の分野では都会での動物医療・経営はかなり困難になってきているということです。
今後、10年以内に現役世代が、7000万人を割り、動物を飼育する人が激減する中、動物病院の環境・運営は極めて困難になると考えられます。
このような将来を考えて、今、何をすべきか考えていますか?
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文責
南 毅生