2023.06.24

獣医師 南 毅生のブログ(その24)

外科手術のはなし

まず、皮膚の腫瘤(腫瘍)について、考えたいと思います。
皮膚には、乳腺の腫瘍以外にも様々な腫瘤が発生します。乳腺腫瘍に関しては、以前にJCABINで説明していますので、ここではそれ以外の腫瘤に関して考えたいと思います。

 

特に犬の肥満細胞の腫瘍は悪性腫瘍です。
2cm〜3cmの水平方向と深部方向のマージンを確保して切除する必要があります。また、グレード分けによって術後の予後が変わってきます。そして、完全切除できてもグレードによって予後が変わることから、非常に悪性の腫瘍です。

 

では、その他の腫瘍ではどうでしょうか? 
一般的な腫瘍として、組織球腫、基底細胞の腫瘍、肛門周囲腺腫、形質細胞腫があります。これらの腫瘍は、マージンを最低限の範囲で切除することで完全切除が実施できる腫瘍で予後も良好です。

 

その他、悪性腫瘍(肉腫)があります。発生頻度から考えると肉腫の発生は低いと考えられます。よって、肥満細胞の腫瘍と肉腫の場合に広いマージンを取って切除することが重要になります。しかし、その発生は他の腫瘍と比較すると低いと考えられます。

 

一言で皮膚腫瘤と言ってもその種類、発生場所そしてグレード等でかなり手術方法が変わりますし、予後も様々です。

 

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文責
南 毅生

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