2023.08.05

獣医師 南 毅生のブログ (その31)

外科手術のはなし

今回は、胸腔、特に肺の手術について、考えたいと思います。

開胸術は、肋間切開と胸骨縦切開の2種類の方法で実施します。

 

一般的には、肋間切開による開胸術を行い肺腫瘤の摘出を行います。しかし、胸腔内の腫瘤が大型の場合には肋間から摘出することができない事から胸骨縦切開を実施して腫瘤の摘出を行うことになります。

 

通常、肺腫瘤の切除時には問題の肺葉の動脈、静脈そして気管支を剥離して動脈静脈そして気管支の順で結紮離断を行います。
胸腔内の操作時に、吸気時の肺の拡張により術野が確保できない場合必要な肺葉を故意に無気肺にして操作します。

閉胸時に無気肺を処理し、ドレーンを胸腔に装着して閉胸捜査を実施します。
ドレーンチューブは、低圧で持続吸引を実施し胸水の排泄が減少した時点で抜去します。

 

胸腔内手術のシリーズとして今回は肺の手術症例に対して記載しました。
毎週水曜日は様々な手術について手技解説をおこなっています。
8月9日は「膀胱結石摘出・切開(尿管・尿道含む)」です。
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文責
南 毅生

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