2023.12.28

獣医師 南毅生のブログ (その41)

外科手術のはなし
右大動脈弓遺残症(PRAA)

開胸手術の中で、右大動脈弓遺残症(PRAA)に関して話をしたいと思います。

右大動脈弓遺残症は、右方の第4動脈弓が発達した結果として発生します。左動脈管索は食道周囲に輪を形成し、心基底部との間で完全な環状となりこの結果、食道の周りの血管輪となり食道を狭窄することとなります。

症状としては、母乳から離乳食・固形食へと切り替わる過程で食物の逆流(胃まで行かずに逆流する)や嘔吐(胃に到達して逆流する)します。

治療方法は、外科的に血管輪を解除して狭窄した食道を拡張します。
しかし、一般的には、食道の機能不全があれば食事の度に立位で食物を胃まで到達させる方法をとり誤嚥性肺炎を予防する必要があります。

JCABINでは、開胸術・胸腔鏡を使用した血管輪の解除と内視鏡を使用した食道の拡張を行う方法に関して論議しています。

JVEC×JCABIN合同年次大会では、林慶先生と手術の執刀までの心得を対談形式でお話しします。
会員の皆様はお得にご参加できます。
皆様のご参加お待ちしております。

文責
南 毅生

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