2023.12.28

獣医師 南 毅生のブログ (その47)

外科手術のはなし
横隔膜ヘルニア

横隔膜ヘルニアに関して話をしたいと思います。

この疾患には、先天的と後天的(外傷)の病態があります。
先天的な場合、通常は心膜と横隔膜の欠損部分が癒合し、腹腔から心臓が直接見える場合が多いです。
また、後天的・外傷性横隔膜ヘルニアは、腹部臓器が胸腔に移動することで肺の機能不全が発生し、呼吸困難になる場合がよく見られます。この場合には、麻酔導入時が最も注意・危険な時間と言えると思います。

外科的なヘルニアの修復では、欠損・断裂部分を縫合することで整復します。特に外傷性の場合、閉胸時に無気肺の処理を行い、換気が正常に回復することと胸腔が陰圧になっていることを確認する事が重要になります。

今までに何例の手術を行なったかは分かりませんが、人口膜(ゴアテックス)等を使用しなければならない欠損は経験がありません。横隔膜の縫合方法を考えることで人工膜を使用しなくとも整復できると考えています。

JCABINでは、先生方とこの様な内容を細かく話し合っています。興味のある方は、是非登録してご参加ください。

文責
南 毅生

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