2023.02.11

獣医師 南毅生のブログ (その6)

今回は、

 “動物病院経営のはなし”です。

動物病院経営のはなし

私は、以前から危機感を持っていたのですが、いずれ日本の動物病院1軒あたりの犬の数(カルテ数)が500頭になり、そのうちの疾患を持って来院する割合を30%とすると1軒あたり150頭、2日に1頭しか来院しないという時代が来ると思っていました。

しかし、今年1月26日の厚生労働省の報告で、全国の犬の狂犬病の登録頭数が、6,095,250頭(2021年)になりました。

農林水産省の2021年都道府県別飼育動物診療施設の開設届出状況で小動物の病院の数が、12,435軒となっており、単純にこの数字から日本の小動物病院1軒あたり490頭となり、すでに500頭を切っています。

また、東京都は狂犬病登録頭数が、519,234頭、小動物病院数が1,816軒と報告されています。 

要するに東京都では、1病院あたり犬の数が286頭だということです。30%が疾患とすると86頭になります。つまり、4日に1例疾患の犬が来院するだけということになります。

実際と計算上では異なるかとは思いますが、犬の登録頭数は年々減少しています。この状況は、悪化することはあっても良化することなないと考えます。なぜなら日本の人口が減少しているからです。

では、病院経営をどうすれば良いのか?

予防医療と健康管理ということが、今後最も重要な診療項目となると考えます。

現時点で、設置並びに維持に大きな経費が必要な機器や器具を備えている病院は、今後5年以内にそれらの機器の維持が困難になるでしょう。今のうちに継続するかどうかを決断すべきと考えます。

では、具体的にどのような方法で、判断するのか? 維持するためにはどうすれば良いのか?この様な病院経営の今後に関してJCABINでは、現実の問題を経営者の皆さんと論議しています。興味のある経営者の方は是非 登録してご参加ください。

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文責

南 毅生

Takeo Minami,DVM,MS,PhD,JCVS

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