2023.02.25

獣医師 南毅生のブログ(その8)


“動物病院経営のはなし”

今回は、設備投資に関して考えてみたいと思います。

動物病院の設備投資


内装・診察に関する機材・心電図・レントゲン・画像処理・手術台・麻酔器・生体モニター・無影灯・血液検査機器・超音波診断・内視鏡・外科器具等があります。高額な機器としては、CT・MRI・放射線治療装置等があります。

機材によっては、特別な部屋の準備が必要なので、その資金も設備投資となります。

全ての機器には原価、そして機器によっては毎月のメンテナンス料が必要になります。
個々の器具を使用する医療行為にはその単価が決められていますので、最低必要な原価を考える必要があります。

例えば、心電図が原価150万円としましょう。5年のリースで契約すると、最低月25000円がリース代になります。1回の心電図検査の検査料金が、3000円とすると月9回以上の検査を行わないと機械の原価が出ません。
ですので、それ以下の検査回数では、他の利益からの補填ということになります。 

手術室での機器に不必要な高額の投資をしていることもあります。
一般的な手術内容(特殊な技術や機器を必要としない手術)では、おそらく標準的な手術料金を設定するしかないと思います。
しかし、他の病院では実施できないような特殊な器具や技量を必要とする手術手技では、他の病院よりも高額の料金設定が可能です。ただし、この様な高額料金の手術回数をどの程度処理しているかをしっかり考える必要があります。

また、高額な電気メスを使用する際、対局版に生理食塩水で湿らせたものを使用している現状があるならば、投資物件に問題があります。
最近は、小型犬そして猫が主流であるにも関わらず、カラダを湿らせて手術をするという矛盾が生じているわけです。
我々は、何年も前からタオルを敷いて体を固定できる対局版(体を湿らせることはしない)を使用しています。

設備投資、適材適所、費用対効果、これらをしっかり考慮して投資物件と維持費を考える必要があります。

これらの事をJCABINでは、先生方と検討しています。興味ある方は、是非 登録して参加ください。

文責
南 毅生

Takeo Minami,DVM,MS.PhD,JCVS

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