獣医師 南毅生のブログ (その11)
手術の話
犬の胆嚢切除に関して
今回は、最近実施する機会が増えてきている胆嚢切除を考えたいと思います
先生方は、胆嚢を切除する時期をどのように判断していますか?
肝臓酵素値の上昇、超音波検査での胆嚢の構造異常、これらの症例に対して内科療法を実施して継続的に観察した結果、改善が見られない場合に実施し、また、黄疸の発生や胆道閉塞あるいは胆嚢破裂時には緊急的に手術を行います。
手術方法の選択
手術方法には、開腹術と腹腔鏡を使用した手術があります。先生方はこの二つの手術手技を症例別に実施していますか?
腹腔鏡手術は、一般的に低侵襲と言われています。しかし、胆嚢破裂で腹膜炎を併発しているような症例では腹腔鏡手術は実施できません。
このように手術時期、そして手術方法に関して、個々の症例でしっかり検討して実施する必要があります。また、年齢を考えると長時間の麻酔が困難な場合は、手術時間が短い方法が選択されると思います。
また、胆汁の培養検査、術中の総胆管造影や洗浄の必要性に関しても考える必要があります。
JCABINでは、このように胆嚢切除術に関して、様々な症例をもとに手術方法を論議しています。
興味ある先生は、是非JCABINに登録し内容を確認して下さい。
文責
南 毅生
Takeo Minami,DVM,MS.PhD,JCVS