2023.05.13

獣医師 南 毅生のブログ (その19)

手術のはなし

今回は、皮膚切開に関して、話をしたいと思います。

 

皮膚切開には、通常はメスを使用して行われていると思います。しかし、我々は10年ほど前から電気メスを使用して皮膚切開を行なっています。この方法で、皮膚の癒合の遅延は発生していません。
また、対極板はメガソフト(外科用電極 MEGADYNE MEGA SOFTメガダインメガソフト:販売元Ethicon)のものを使用しています。この対局版は、動物の間にタオルを敷いても機能しますし、水分で対極板を湿らせる必要もありません。長毛種でも全く問題なく使用できます。
小型犬そして猫の手術において、水分で湿らせたための体温低下を招く様な対極板は使用したくはありません。
高価な電気メスの機器を使用しているのであれば、この様な対極板を使用することをお勧めします。

 

また、電気メスで上皮が軽度凝固しているので、真皮縫合の際に上皮を針で刺入する場合にも非常に容易に行え、綺麗な皮膚縫合が可能となります。

また、バイポーラーがなくても鑷子で出血点を保持し、そこを電気メスの凝固モードでタッチすれば一点凝固が可能となります。

 

C A B I Nでは、このように各種の基本的な手術手技に関して、様々な症例をもとに手術方法を論議しています。

興味のある先生は、是非 JCABINに登録し 内容を確認して下さい。 

 

 

文責
南 毅生

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